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女性特有の病気に備える女性保険の正体とは

医療保険には女性専用と銘打った医療保険や特約があります。では、女性のための女性保険とはどのようなものなのでしょうか。ここでは女性向け保険について詳しく考えてみたいと思います。

女性保険の特徴

一般の医療保険とどう違う?
女性保険や女性(疾病)特約とは、あらかじめ設定された「女性特有の病気」で入院や手術をした際、入院日額や手術給付金を上乗せするものです。一般の医療保険と根本的に異なる訳ではなく、一定の条件下で保障が厚くなるタイプの保険だと考えてください。

女性特有の病気ってどんな病気?
男性にはない子宮や卵巣、乳房などにかかる病気を女性特有の病気と呼んでいます。たとえば、妊娠・出産による異常分娩や早産・流産、帝王切開などがそれに当たります。ほかにも、子宮筋腫、乳がん、卵巣がん、子宮頸がんなど、病名を挙げていけば多数あります。

20代・30代前半の若い人でも決して油断できません。早期発見がカギとなるため、検診はしっかりと受けましょう。

■【参考】女性がかかりやすい病気 年代別表 

病名20代30代40代50代60代
異常分娩
帝王切開
子宮筋腫
子宮内膜症
子宮頸がん
子宮体がん
卵巣がん
卵巣のう腫
パセドウ病
乳がん
関節リウマチ
◯…要注意 △…油断はできない
※参考:厚生労働省『平成20年 患者調査』

加入するなら妊娠前の方が有利な理由
保険は慈善事業ではないため、保険金を支払う可能性の高い人は加入させないか、特定の条件を付けて給付を限定することがあります。妊娠中の女性はまさにその両方のケースが当てはまり、保険会社にとってはリスクを負うビジネスといえます。リスクとは何か? 例えば、帝王切開です。厚生労働省の統計によれば、帝王切開による分娩はここ20年で増えてきており、今や5人に一人が帝王切開で出産する時代になりました。高齢出産や若年世代の喫煙率の増加等、さまざまな社会事情が背景にあると言われています。

では、妊娠中の女性は医療保険に入れないのかと言えば、そうでもありません。詳細は保険会社により異なりますが、妊娠27週(7ヵ月)以内なら『特定部位の不担保』という条件付きで加入することができます。つまり、「加入そのものはOKですが、帝王切開や切迫早産などを含む、子宮に生じた疾病に対する保障は担保しませんよ」という意味です。このように、妊娠中の女性には一定のハードルが設けられるため、保険を考えているなら絶対に妊娠前の加入をおすすめします。

なお、特定部位の不担保は永続する訳ではなく、2年、5年と一定の期間が過ぎれば解除されます。仮に妊娠中に女性保険に加入し、何事もなく出産した数年(特定部位不担保の解除)後、2人目を帝王切開で出産したとしても、それに対しての保障は受けることができます。

特定部位の不担保が出産後も適用される場合
出産後に医療保険に加入する場合は、前回の出産が自然分娩だったか否かにより加入条件が異なります。自然分娩ならもちろん通常の引き受け、分娩に伴う異常で手術などを受けていると特定部位の不担保になる可能性があるので注意が必要です。なお、審査に関係するのは過去5年間で、それ以上を遡っての告知は必要ありません。(ただし、もともと持病を患っているなら必ず告知してください)

女性保険の必要性を考える

女性特有の病気は特別に医療費が高くつくのか?
女性特有の病気にはどれくらいの治療費がかかるのか? これは結論を言ってしまえばケースバイ・ケースです。高額になることもあれば、意外なほど少額で済むこともあるでしょう。

考えてみれば当然で、女性特有の病気になったからといって必ず重篤に至るという訳ではなく、治療できるケースも多いからです。たとえば、子宮筋腫は、実際には経過観察として診ることが多く、問題がなければ大々的な治療は必要ありません。運悪く大事に至り、結果、高額な治療費を請求されたとしても、高額療養費制度を利用すればひと月の自己負担額は8~9万円ほどで済みます。とすれば、わざわざ割高な女性保険や女性疾病特約に入らずとも、通常の医療保険でも対応できそうな気がします。女性向けの保険はあくまで、万一に備えて特別に保障を手厚くしたい人が入る保険だと理解した方が良さそうです。

「女性特有」という言葉を冷静に分析してみる
女性特有の病気は本当に恐ろしいものです。幸い治療できても、その後の生活に大きな傷跡を残すものも少くありません。女性としての象徴をも奪いかねない病に対し、金銭的保障だけでも手厚くしたくなるのは自然な感情ですが、ちょっと考えてみてください。女性特有の病気とは、その他の病気を上回るほど危険なものなのでしょうか?

独立行政法人『国立がん研究センターがん対策情報センター』の統計によれば、2009年にがんで死亡した女性は13万7753例。うち部位別に見た死亡順位は、1位が胃、2位に大腸、3位に肝臓、4位に胆のう・肺管で、乳房、子宮、卵巣は5位以下です。年代別でみると、40代における乳がんでの死亡は高いものの、女性特有の病気がすべての病気を押さえて上位を独占している訳ではありません。つまり結論としては、女性特有の病気(ここではがんに絞っていますが)は確かに警戒すべき病ですが、だからと言って特別に保険料を注ぎ込んでまで備えるものなのか?ということです。

【参考URL】http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics01.html

ボーナス付き保険だから魅力的なのか?
女性向けの保険にはよく「ボーナス付き」という売り文句を見かけます。これは、保険期間中に生存していれば受け取れる『生存給付金』や、一定の期間内で入院や手術がなければ給付されるもので、掛け捨てタイプのものと比べるとお得感があります。しかし、そのぶん毎回の保険料は上がるうえ、ボーナスとして給付されているのは、結局自分が支払った保険料の一部がバックされているに過ぎないこともあるため注意しなければなりません。

ボーナス付き保険を選びたいのであれば、上乗せ保険料を長く支払い続けるメリットとしての『貯蓄性』が高いかどうかをしっかり計算してください。もちろん、ボーナスの支払い内容も要チェックです。わざわざ保険料を多めに支払っているのに、請求しにくい、されないでは話になりません。そうしたことを踏まえたうえで、保険料の総額とボーナス給付金の額を照らしあわせ、さほど貯まらないのであれば止めておいた方がいいでしょう。貯蓄はルールさえ決めれば自分でも可能です。ボーナスという甘い言葉に惑わされないよう、しっかりと考えて加入したいものです。

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