TOP医療保険を「より深く学ぶ」カテゴリの目次一覧 > かなり使えそうな先進医療特約がたった100円程度であるシンプルな理由

かなり使えそうな先進医療特約がたった100円程度であるシンプルな理由

先進医療といえば、「公的保険が効かない高額の治療法」というイメージを持つ人がほとんどではないでしょうか。筆者も、しっかりと勉強するまではその1人で、「保険でないと対応できないべらぼうなお金がかかるもの」だと思い込んでいました。そんな大きなリスクも、医療保険に入れば月額100円程度で回避できるのです。しかも各社の保険金限度額はほとんどが1000万円クラスというから驚きです。……しかし、そんな上手い話が本当にあるのでしょうか。気になったので詳しく調べてみることにしました。

先進医療の定義を理解する

そもそも先進医療とは何でしょうか。筆者は「厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療法」だと思っていましたが、厚生労働省の公式ページを見るとさらに詳しい説明があります。そこに書いてある文章を要約すると、「大学や病院で研究・開発された高度で安全な医療ではあるが、保険給付の対象として提供するには様子見状態の治療法』だということが分かりました。

先進医療は「第2項」と「第3項」に分類され、この基準は治療の際に使用される医薬品や医療機器が薬事法で承認されているか否か。第2項がその封建をすべて満たすのに対し、第3項には未承認のものも含まれています。平成24年12月1日現在、第2項先進医療技術は66種、665件の医療機関で実施・提供されているとのことです。

『保険適用外=莫大な治療費』なのか?

医療保険を選ぶうえで先進医療という単語をよく目にするのは、がん関連の保障を考えるときでしょう。悪性のがん治療に用いられる技術の代名詞的存在になっているためです。

さて、先進医療は完全な混合診療ではないため、診察、入院、投薬など共通の医療行為については保険診療ですが、いわゆる「技術料」にあたる費用は特別料金になります。一部の大学や病院などの限られた施設・環境下でしか行えない治療もあり、なかには高額のものも存在します。たとえば重粒子線治療は約300万円もかかるとされています。公的保険の適用外ということは、高額療養費制度も使えません。

しかし、すべてのがん治療が高額でないのと同じように、先進医療にもピンきりがあるはずです。そこで、平成23年度の先進医療技術実績を調べてみました。以下、一部抜粋・編集して表にまとめます。

技術名技術料(平均※)実施件数医療機関数
重粒子線治療約295万円8733
陽子線治療約267万円15087
凍結保存同種組織を用いた外科治療約80万円312
インプラント義歯約62万円235-
膝靱帯再建手術における画像支援ナビゲーション約7万5000円933
CTガイド下気管支鏡検査約5万2000円56-
三次元形状解析による体表の形態的診断約3万2000円273

※先進医療総額÷年間実施件数でキリのいい数字を掲載しています
※医療機関数は厚生労働省『先進医療を実施している医療機関の一覧』を参考

いかがでしょうか。重粒子線治療と陽子線治療が飛び抜けていますが、そうでない治療技術もあることが分かります。さて、この表をもとに、本題である先進特約はなぜ100円程度なのか?の理由を考えていきます。

実は先進医療を受ける人は少ない?

では、表で挙げた重粒子線治療の治療件数に着目します。全国で873件ですから、思った以上に多くの人が先進医療のお世話になっているようですが、がん患者の数は全国で約150万人です。少し考えただけでも確率としてはかなり低いと言えますね。陽子線治療にしても同様です。

先進医療で最もお金のかかる二大治療の確率がこの程度というのが、先進医療特約の安さの秘密です。保険会社は別に出血大サービスをしてる訳ではないのですね。むしろ、先進医療特約を呼び水に新たな保険加入者を獲得さえしています。「月々ワンコイン」ですから、強いキャッチコピーです。

【結論】

先進医療特約に対して否定的な立場で話を進めてきましたが、筆者はこの特約を必要だと考えています。使用頻度が低いにしても、「お守り」として機能するうえ、万一のときには絶大なコストパフォーマンスを発揮してくれそうだからです。事実、先進医療を受けたときの医療費は誰にも予測できないのです。レアな確率とはいえ、安い保険料で手厚い保障を得ることができるのですから、私は付帯するのが望ましいと思っています。

大切なのは、決定にいたる過程です。「どうせ100円だからいいか」と、保険会社の出す情報を無防備で受け入れるのは感心できません。分からないなりにも自分で調べ、判断するからこそ、納得のいく選択が可能になるのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>