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医療保険比較のカギは1入院の限度日数を見よ

保険は加入者のライフスタイルによって重視すべきポイントが異なる商品です。医療保険も例外ではなく、一律に比較してもあまり意味がありません。そこでこのページでは、加入者を「給与所得者」「30代男性」と想定し、その立場から重視すべきポイントを整理。良質な医療保険の本質に迫っていきたいと思います。※その他のケースはより深く学ぶで考察しています。

1入院「60日」「120」型は必要ない?

備えるべきは長期入院

保険は日常生活で起こり得るリスクに対して備えるものですが、リスクの大小については見極めなければなりません。医療保険でいえば、長期入院と短期入院です。長期入院するのは、完治が非常に難しい、場合によっては治せない重篤な病気にかかったときです。治療期間の予測が立たず、経済的・精神的打撃は計り知れません。

一方、短期入院はどうでしょうか。会社員であれば、健康保険の『疾病手当金』があるため、入院4日目から1年半までなら働けずとも給与の確保ができます(ただし全額ではなく2/3程度)。「短期入院でも治療内容によっては莫大な医療費がかかるかもしれない」という不安には、高額療養費制度で解決できないでしょうか。詳しくは『より深く学ぶ』の該当記事に譲りますが、自己負担額には上限が定められていて、一般所得者であれば1ヵ月9万円前後なのです。9万円の捻出は保険金に頼らざるを得ないほどの金額でしょうか。確かに助けにはなりますが、なかったとしても何とかなる額だと思います。それに加入時期によっては、支払った保険料の累計が医療費を上回っている可能性もあります。

以上の理由から、60日や120日といった短期入院よりも、疾病手当金が切れる180日以上の入院に目を向けるべきというのが筆者の考えです。

入院の定義を知っておく

医療保険のプランを見ているとよく目にするのが、1入院「60日」や「120日」という表記です。また、「1入院60(120)日、通算1000日」というタイプもよく見かけます。1入院とは文字通り「1回の入院」を指しますが、病気によっては何度も入退院を繰り返すケースだってあります。この場合、医療保険では、退院から再入院までの間が180日以上空いていないと1入院とカウントとするルールがあるのです。1入院60日のプランで50日入院したとすると、同じ病気(またはそれに端を発する病気)で再入院した場合に出る給付金は残り10日間で、超過分は自腹を切ることになります。再入院が必要なほど重篤な病気を患っているのに、半年間も自宅療養が可能でしょうか?

通算日数に目を奪われない

「1入院60日型・通算1000日」等と聞くと十分過ぎるように聞こえます。しかしこれを満たすには、60日間を限度とした入院を14回する計算になります(それでも残り40日余ります)。そんなケースが無いとは言いませんが、ほぼあり得ないのではないでしょうか。このことから、1入院と通算日数の限度数が全く異なる設定は、いくら通算日数が多くても使い勝手のないスペックだと考えます。注目するなら1入院の限度数に注目しましょう。もちろん60日型でなく、730日型や1000日型でないと頼りになりません。

保険料に対する見返りを考えてみる

1入院60日型、120日型、365日型、730日型で支払う保険料と保障力の差を計算してみましょう。30歳男性、入院日額5000円の条件で簡単に見積をとってみました。

60日型:2830円(月額)
120日型:3250円
365日型:3730円
720日型:3980円

すべてのケースで満額の保障が出たケースを想定します。

60日型:5000×60=30万円
120日型:5000×120=60万円
325日型:5000×365=182万5000円
720日型:5000×720=360万円

60日型と720日型では、月額の差額は1150円、保障額は330万円です。いかがでしょうか。月額1000円強の差で保障力は300万円以上もあります。コストパフォーマンスの点からも、医療保険は長期入院に視点を合わせる方が合理的だと思います。

5000円 or 1万円? 入院日額の設定

高額療養費制度が続く限り、入院日額の設定は5000円で十分だと考えています。ひと月の自己負担額が9万円で済むなら、1日に換算すると3000円です。単純計算で2000円おつりがきますね。入院にかかるのは治療費だけではありませんから、余った分はその他の費用に充てることができます。

必ず付けておきたい先進医療特約

名称の響きから何だか割高そうな先進医療特約ですが、実は月の保険料は100円前後で、非常にリーズナブルな特約です。ワンコイン程で多額の治療費をカバーできるのですから、付けておいた方がお得でしょう。(ちなみに、先進医療が必ずしも「優れた」「洗練された」治療法とは限らないので、誤解なきよう)

万一の事態に耐えられる医療保険は?

以上から、このページで比較・検討する医療保険は730日以上の長期入院に対応できるものに限定したいと思います。選択肢はぐっと少なくなりますが、いずれもいざというときに役だってくれそうです。

さっそく各社共通の条件で見積もってみました。

【共通条件】
・30歳・男性
・入院日額5000円
・終身保険(可能なら60歳払込)
・先進医療特約

保険会社1入院手術給付金死亡保険金退院給付金通院給付金放射線治療ICU治療保険料(月)
ソニー生命/総合医療保険730日5万・10万・20万円50万(解約返戻金の方が多い場合は返戻金と同額)----5785円
三井住友海上あいおい生命/新医療保険α1095日5万円(入院)/2万5000円(外来)解約返戻金と同等額--5万円10万円3975円
メットライフアリコ/やさしくそなえる医療保険730日10万円/2万5000円-(付けない)----3627円
アイリオ生命/医療保険1095日5万・10万・20万円/2万5000(入院)-3万円1500円--3095円
楽天インシュアランス/医療保険ロング1095日 ※1------795円

※1 ただし給付は入院61日目から
※アイリオ生命(楽天インシュアランス含む)は終身払い

■保険料について
いかがでしょうか。やはり1入院60日や120日と比べると保険料は上がってしまうものの、メットライフアリコの『やさしくそなえる医療保険』などでシンプルに設計すると月々3500円程度です。アイリオ生命は1095日の入院限度数をもって約3000円になります。

アイリオ生命は楽天の小会社で、『楽天インシュアランス』の名で販売している医療保険はなんと月額795円。その代わり入院日額しか出ず、さらに1~60日以内の入院では給付対象外という少し変わった保険です。同社は他にも組み合わせ可能なプランがあり、それらを付け加えると一般的な商品になります。(詳細は個別ページで説明します)

ここではすべて終身型で見積ってみましたが、定期型で見積もると保険料はさらに安くなります(終身型のみの商品もあります)。「終身型でないと老後が心配」という声もありますが、高齢者の医療費は現役時代よりも大幅に軽減されます。年金により収入の確保も不要になるため、老後の医療保険は不要と考えることだってできます。

■特約について
特約は先進医療のみということで頼りなく見えるかもしれませんね。しかし、高額療養費制度がある以上、あれもこれもと特約で膨らませる必要はないと考えています。むしろ、特約の付加による保険料のアップで家計の負担が増すだけではないでしょうか。

たとえば、ソニー生命の三大疾病特約(100万円)を付加するとプラス1550円で、これを30年間支払い続けたときの保険料は、特約部分だけで55万8000円になります。幸か不幸か、若くして受け取ることになれば損はしませんが、60歳を過ぎて受け取っても44万2000円のマイナス、何事もなければそのまま消滅です。それなら、万一に備えて別口で貯蓄しておいた方が良いのではないでしょうか。掛金に対しての見返りにそうメリットがないものは、思い切って「外す」のも選択の一つだと思います。

とはいえ、“多大な損害を被るリスクの想定”という意味では、必要ないとまでは言い切れません。これについては、がん保険と共により深く学ぶで触れるとし、ここでは医療保険だけを比較したいと思います。

まとめ

良い保険の定義とは、「安い掛金で高度な保障を受けることができるもの」です。何も改めて言うほどのこともない当たり前の話ですが、医療保険人気ランキングなどをみると現在の医療保険は、「安い掛金だけど自分でもどうにかできる」程度の商品が多い気がします。冒頭でも述べたとおり、保険は真に必要な事態に備えて入るべきで、軽度のリスクにそこまで怯える必要はありません。

この前提に立って考えれば、医療保険はコストパフォーマンスが良い商品ではない気がします。「医療保険で支払うはずだった掛金を貯蓄に回した方が現実的だ」という意見も理解できます。

しかし、保険は経済的な保障のほか、「お守り」としての役割も果たしてくれる商品です。必要のない保障にお金を費やすのは感心しませんが、損をしない程度のものなら加入しておいて、心の安寧を保つのも良いかと思います。

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